harpaKatzeの英語勉強ブログ

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Modern Japan 読了

Modern Japan 読了
3度読みを行い,知らない単語を anki に入力した。modernization(近代化)という視点から,幕末から小泉政権時代までを論じており,コンテンツ的にも読みごたえがある。入門書ながら著者の考え方も随所に見られ,事実を時系列にまとめた,いわゆる「歴史の教科書」とは異なる位置づけを明確にしている。このような視点で自国の歴史を見ると面白いな,と思わせてくれる一冊であった。
 
分析と所感
Oxford の A Very Short Introduction シリーズは理系文系問わず,幅広いジャンルの入門書コレクション的な位置づけである。内容は細部に踏み込み過ぎないように書かれているので,英語の構造も比較的シンプルで,単語の意味さえ分かれば,読解は難しくない。小説ではないので,感情表現や複雑な情景描写なども少ないのが初心者にはありがたい。
 
しかし,英語教材として書かれた訳ではないため,英語のレベルを学習者向けに調節していない点で,例えば Penguin Readers のような英語学習書とは異なる。想定している読者層は,教養を深めたい(ネイティブクラスの)大学生から一般人だろう。
 
実際に読み終えてみて,Lv6 程度の語彙力では(辞書を使わなければ)全く太刀打ちできないことが明確になった。読み始める前に抱いていた「単語力の低さを予備知識にてカバーできるのではないかという期待」は外れた。
 
今回 anki に登録した総数は667項目。内訳と割合をまとめたチャートは以下の通り
 
Lv7以下: 90,Lv8: 55,Lv9: 60,Lv10: 65,Lv11: 96,Lv12: 43,Lv13: 211,
その他熟語など: 46
 

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これをみると,SVL12000 を身に付けることで,未知の語彙を半数以下に減らすことができる一方,SVL12000 範囲外の単語(Lv13) が32%もあることが分かる。ただしこの中には,SVL12000 の派生語であったり,分野に特化した語や固有名詞も相当数あるため,SVL12000 の重要性については変わらない。Lv12 くらいになると専門性が高い単語が増えてくるため,Lv11 までと比べると,出現頻度が少なくなる傾向がある。「ここぞ」というときに使われる単語なのだろう。大抵の場合,より簡単な表現で言い換えることができるだろうし,恐らく会話表現では,そちらが好まれるのではないか。友人との会話で 「父に叱られた」を「父から譴責(けんせき)を受けた」などとは普通は言わないだろうが,「譴責」という語を,文章中で適切に使うことができれば,文章の品格を高めることができる。
 
SVL12000 が Lv12 で終わりなのは,それ以上は分野ごとに特化した単語が増えてくるため,学習者によって,次の1000語が変わるためであると思われる。SVL12000 は,ある程度広い分野で使われる「共通語」としての12000語が選ばれているのであり,これで必要十分ということでは決してないことがこの結果からも分かる。グラフを見ると,Lv12 の比率は6%である。単純計算ではあるが,1000語ごとに次の5%の出現率をカバーできると仮定すると,12000語に加え,6000語程度の語彙力を持つ(全部で18000語)ことで,一般入門書レベルの書籍を分野によらず, ストレスなく読みこなすことができることになるのではないか。ネイティブ成人の語彙数が20000-35000語という統計とも矛盾しない。
 
時間はかかるが,3度読みの効果は絶大である。表面的な「単語の意味を追う」読み方から,「内容を考える」読み方に変わる。日本語で入門書を読むと,どうしても読み流してしまい,繰り返し読むことをしないまま次の本に移ってしまう。英語で読むことで,コンテンツそのものに対する理解も深まるという,嬉しい副作用を実感することができた。
 
in the throws of について
p36 に In other words, Perry found a nation in the throws of a process of modernization that had been ...
という一文があるのだが,手元の辞書を引いても出てこない。weblio サイトでようやく見つかった。
 
「~という非常な困難の中で」という意味での throes(激痛,苦悶)を throws に書き間違えたものらしい。
 
今後の方針
まずは,これまでにリストアップした単語を覚える。
Lv7 単語については現状,手つかず。