harpaKatzeの英語勉強ブログ

英語の小説が読みたい,雑誌や新聞も読みたい,字幕なしで映画とか楽しみたい...

現代ミステリーに手を出す

THIS IS YOUR BRAIN ON PARASITES 読了
前半は寄生虫(parasite)が動物の行動をどう操るか,そして人間の脳にも影響を与えうるのではないかという内容で,タイトルからイメージした通りであり楽しめたのだが,後に進むにつれて,心理学的な記述が多くなった。生物学的なアプローチを期待していたうえに,もともと心理学的な手法に懐疑的な自分としては,読み進めるほどに興ざめしたというのが正直な感想である。英語の難易度は少々高めかもしれない。Sapiens を含むこれまでに読んできたサイエンスものは,その道の研究者が自ら執筆したものであるのに対して,本書の著者はジャーナリストである。従って,多くの研究者の知の結集といういう意味では面白いのだが,本書全体が伝聞形であり,首尾一貫したものの見方,考え方というものが伝わってこないという印象を持った。良い悪いは別として,このような形式の書物もあるのだということを知れたことは大変勉強になった。本屋で洋書を物色すると,表紙や見開き1ページ目に「○○でベストセラー」とか「××で紹介された」とかの文句が書かれているものが多いが,それがどの程度のすごさなのか怪しいものである。本書も誉め言葉が並んでいるが,通読してみての正直な感想としては「そこまでのものか?」というところである。自分の読書ペースを考えると,年間に読めるのはせいぜい10冊程度だろう(単語力を高めて,よりたくさん読めるようになりたいとは思う)。とすると,本屋に並ぶ膨大な洋書の中から,自分にとってのベストテンを選び抜くのはなかなか至難の業だ。これまで読んだ本で Modern JapanSapiens,そして Agatha の2冊は自分にとっての満足行くチョイスだった。これらの本の共通点は,書評もさることながら,実際に売れているという点だ。集合体としての読者は正直だ。ちゃんと良書を選んでいる。書評での高評価は金で買える側面も無きにしも非ずなので鵜呑みにはできない。
 
オーストラリア新進気鋭作家による現代ミステリー
これまでノンフィクション(サイエンス中心)とフィクションを交互に読んできた。ノンフィクションよりもフィクションの方が語彙力がつくと某サイトに書いてあったので,フィクションは大切だ。Agatha は大変結構なのだが,英語学習という観点からは現代英語に触れることも大切だろうということで,以下の1冊を選んでみた。例にもれず多くの書評で飾られた1冊なのだが,この本は ABIA Australian Book of the Year (2017) や the Indie Book Awards Book of the Year (2017) といった賞を受賞している点と,紀伊国屋推している感があったので読んでみることにした。これが当たりなら今後の本の選び方として,賞の受賞や本屋での推し具合というのは有りなのかな思う。本書は著者 Jane Harper (http://janeharper.com.au/About-Jane) の処女作だ。本人はイギリスにルーツがあるようだが,オーストリア文学というのも比較的珍しいのではないだろうか。
THE DRY : Who really killed the Hadler family?
Jane Harper 著 ABACUS
総ページ数:401頁